AAFCO養分基準の計算-其の参-


 みなさん、こんにちは。

 清水です。

 AAFCO養分基準の計算の話も、ついに、最終回(?)の3回目になりました。

 これで、手作り食の栄養素含量が、計算できますね。

 今回は、計算方法というより、計算を行う際の注意点です。

 注意点1

 AAFCO養分基準は、全部で40項目あります。

 前回までの計算例は、タンパク質の項目だけですが、他の基準も同様の計算を行い、基準の範囲内になっているか、確認が必要です。

 他の基準値は?

 AAFCOの本に載っています(私の苦手な、いんぐりっしゅです)。

 日本語での掲載なら、「イヌの維持期のAAFCO養分基準(2016)を満たす手作り食レシピの設計法」という論文に載っています。

 はい。ワタクシタチの論文で、恐縮です。

 ただし、エネルギーあたりの基準値しか載っていません。

 (手作り食なら、この方が便利だから)

 DM(乾燥重量)あたりの基準値が必要な場合、

 手軽?な入手方法は、インターネット上に出ている基準値ですが、現在、ネットに出ている基準値の多くは、AAFCO養分基準改定前の基準値ですので、ご注意ください。

 AAFCO養分基準は2016年、大きく改定されました。

 新しい基準値の入手をお勧めします。

 注意点2

 AAFCO養分基準は、市販ペットフードの総合栄養食の基準であるため、手作り食の基準には、NRC飼養標準を推奨する意見もあります。

 NRC飼養標準の基準値を使いたい場合、

 犬猫のNRCの本に載っています(いんぐりっしゅです。)

 NRC飼養標準にはMR(最小要求量)、AI(適切摂取量)、RA(推奨許容量)、SUL(安全上限量)の4つの基準値に、DMあたりとエネルギーあたりの基準値が記載されています。

 手作り食の基準として用いる場合、栄養素量の下限にRA、上限にSULを用いて計算してください。

 計算方法は、AAFCO養分基準の計算で行った説明と同様です。

 注意点3

 食材の量から、日本食品標準成分表(七訂)を用いて、栄養素量を計算しますが、基準に定められているけど、食品成分表には記載のない栄養素があります。

 塩素やコリンなどです。

 塩素は、食塩から計算してください。ショーがない。

 コリンは、アメリカ農務省(USDA)の食品データベースから、その食材のコリン含量を探してください。(はい、いんぐりっしゅです)

 注意点4

 食品成分表はヒトのための食品の成分表です。

 犬猫で用いる場合、変更が必要な箇所がいくつかあります。

 ビタミンAには、レチノールのほか、緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンなどのプロビタミンAが含まれます。

 ヒトでは、プロビタミンAもビタミンA量として計算しますが、犬猫の場合(特に猫では)、レチノールのみを用いて、ビタミンA量とします。

 犬猫は、プロビタミンAをビタミンAとして、ヒトのように体内でうまく使うことができないためです。

 他にも、チアミン(ビタミンB1)や、ビタミンD、ビタミンK(これはNRC飼養標準を用いた時に考えないといけない栄養素ですが)なども、少々変更が必要です。

 が、ビタミンAは、特に猫ちゃんでは、レチノールだけで計算してください。

 注意点5

 食品成分表に記載されている食材(食品)のエネルギー量は、ヒトが、その食材を使用した時のエネルギーです。

 犬猫では異なることが予想されます。

 当院では、修正アトウォーター係数を用いて計算しています。(悩んだ結果、これにしています)

 修正アトウォーター係数を用いた計算方法は、

 まず、NFE(可溶無窒素物)を求めます。

 NFEは、計算したレシピ食材合計の炭水化物(g)から食物繊維総量(g)を引きます。

 (NFE = 炭水化物 - 食物繊維総量)

 (本当のNFEは含まれる食物繊維がいろいろ違うのですが、これも悩んだ結果、これにしています)

 計算したレシピ食材合計のタンパク質量(g)に3.5を、NFEに3.5、脂肪(g)に8.5を掛けて、このすべてを合計します。

 (エネルギー(kcal) = タンパク質 × 3.5 + NFE × 3.5 + 脂肪 × 8.5)

 この3.5とか、8.5が、ペットフードで用いられる修正アトウォーター係数です。

 その3で終了でしたが、その4もあります。

 ご確認、よろしくお願いします。

 こんな感じで、計算してください。

 もっと、勉強したい方は、

「イヌの維持期のAAFCO養分基準(2016)を満たす手作り食レシピの設計法」

 に詳しく載っています。

 手作り食の栄養に不安がございましたら、一度計算してみることをお勧めします。

 少々の栄養の偏りは、体が対応してくれると考えられます。

 大きな栄養の偏りや、長期の栄養の偏りは、限界が来るかも知れません。

 病気の時や、老犬、老ニャンの場合、体の対応には限界があるかもしれません。

 ご不明な点がございましたら、メールや電話で遠慮なくご相談ください。

 当院では、ワンツーマン、あるいはニャンツーマンで、手作り食のレシピ設計も行っております。

 お気軽にお問い合わせください。

  清水

参考

1.Association of American Feed Control Officials. 2016. AAFCO. Official Publication, AAFCO, Illinois.

2.National Research Council. 2006. Nutrient Requirements of Dogs and Cats. National Academy Press, Washington, DC.

3.United States Department of Agriculture (USDA). The USDA National Nutrient Database for Standard Reference. Accessed Dec, 2017 at http://ndb.nal.usda.gov/

4.清水いと世, 舟場正幸, 松井徹. 2017. イヌの維持期のAAFCO養分基準(2016)を満たす手作り食レシピの設計法. ペット栄養学会誌, 20:12-21.

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