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市販ペットフードの表示と三大栄養素


ど~れ~か~ら~食べよっかな~♪

 みなさん、こんにちは。


 今回は、市販ペットフードの表示について。


 「ペットフードの表示に関する公正競争規約」では、ペットフードの品質の保証を買い手(飼い主様)にお知らせするために、

 たんぱく質・・・ %以上  脂質・・・・・・ %以上  粗繊維・・・・・ %以下  灰分・・・・・・ %以下  水分・・・・・・ %以下

 と、ペットフードの重量百分比として表示するように定めています。


 たまに、この通りに表示されていない場合があります。

 親切に、詳しい成分値も表示してくれている場合もあります。


 これが混乱を招くこともあります。


 %と記載されていても、その製品重量のパーセントのこともあれば、ときどき、乾物重量(水分を除いたフード重量)のパーセントのこともあります。

 パーセント表記されず、重量で表示されることもあります。


 つまり、ある製品が

 製品100 gあたり水分量が10 g、

 製品100 gあたり400 kcalのエネルギー、

 製品100 gあたりタンパク質量は20 gだった場合、


 タンパク質量は

 20 g/100 g(製品重量)

 20%製品重量

 22 g/100 g(乾物重量)

 22%乾物重量

 5 g/100 kcal

 という表示が可能になります。


 ややこし。


 そして、この場合、品質保証のための表示は、

 「20%以上」?

 「30%以上」?

 「10%以上」?


 タンパク質は重要である。と多くの人は考えています。

 そのため、フードには最低限含まれているタンパク質量を保証してくれる数値は、故意に低く表示されることはないでしょう。


 脂質(脂肪)は?

 ヒトの健康ブームで、しばしば、脂質は悪者にされます。

 その考えをそのまま犬猫にあてはめてしまいますが、それはいけません。

 もちろん、脂肪をあまり摂取してはいけない病気の犬猫はいます。

 そのような病気でなければ、脂肪は摂取しなくてはいけない栄養素です。


 そのため、品質保証でも

 タンパク質と共に、「以上」と表示しなくてはいけません。


 低脂肪を謳っているペットフードが、品質保証で

 「脂質5%以上」と表示することは、少々違和感を感じますが、

 「脂質5%以下」と表示されると、混乱してしまいます。


 

 品質保証では、三大栄養素である炭水化物(またはNFE; 可溶性無窒素物)の表示義務がないため、これがどの程度含まれているのかはわかりません。


 が、炭水化物量まで表示してくれている製品(フード会社)もあります。

 この親切な表示のために、炭水化物の表示のあるフードと無いフードが存在することになります。

 そのため、炭水化物の表示がない製品を炭水化物を含まない製品と勘違いして選ぶことがあるようです。

 炭水化物が表示されていなくても、実際には、十分な炭水化物が含まれている製品もあります。


 

 犬猫の食事、栄養は大切です。

 市販ペットフードの情報を得る方法は、そのラベルに表示された内容からになります。


 正しく記載されていないと、どんなに良い製品でも、その価値を落としてしまいます。


 現在、大企業から小規模の会社まで、多くの会社がペットフードの製造販売を行い、ペットフードの種類も非常に多く存在します。

 犬猫の健康のために、飼い主様がフードを選択する際に混乱しないように、わかりやすく統一したラベル表示があるといいですね。


 ペットフードの比較で迷ったときも遠慮なくご相談ください。



  清水




2023/03/16追記

関連動画のお知らせ


 「ペットフードの表示成分を乾物(DM)に変換」する方法を動画で説明しています。


 ペットフード会社や動物の栄養関連の仕事をされている方以外には必要ないと考えず、興味を持って下さるとうれしいです。

 人間の食事も同じように考えることができます。


 犬猫にとってよりよい食事が増えますように。




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