解毒(デトックス)のために


 みなさん、こんにちは。

 清水です。

 今日のタイトル、ワクワクしませんか?

 そんな、私のような気持ちを持っている方は、要注意です!

 「解毒(デトックス)」という言葉は、「自然(ナチュラル)」を愛する人々には魅力的な言葉なようで、私たち、特に女性をうっとり、誘引する魔法の言葉のようです。

 そんなタイトルですが、今日の内容は、

「薬物代謝について」

 です。

どうです?

 これがタイトルなら、引き付けられませんね。

 飼い主様の中には、わんちゃんねこちゃんにできるだけ薬を使いたくない方から、いろいろな薬を使っている方、さらには、自然?な薬をご使用の飼い主様まで、さまざまです。

 当院で手作り食の話をする場合は、不足栄養素の補充を薦めることがあるため、現在使用中の薬を教えてもらうことがあります。

 その中には、お腹がいっぱいになりそうなくらいの薬を飲んでいることもあります。

 その多くは、動物病院を複数受診していたり、ネットから購入できるサプリメントによるものです。

 口から摂取したもの(食べ物も薬も)は、体内に吸収されると、主に肝臓で代謝され、腎臓から尿として排泄されます。

 (他で代謝、排泄されるものももちろんありますが、ここでは代表的な肝臓と腎臓で話をします。)

 肝臓での代謝とは、大切な栄養素を利用できるように変化させたり、後で利用するために蓄積したり、不要になったものを処理したり、有毒なものを無毒化することです。

 この一番最後が、「解毒(デトックス)」にあたります。

 そして、無毒化されたものや不要なものは、腎臓から尿として排泄されます。

 薬物はもちろんですが、栄養素も過剰に摂取すれば、体に悪影響を及ぼします。

 体の処理(肝臓での代謝)には限界があり、解毒しきれなければ、体が毒の影響を受けてしまいます。

 若かったり、一時的であれば、何事もなく(さほどひどい症状が出ずに)回復するでしょう。

 老齢だったり、子犬子猫だったり、病気だったり(肝疾患や腎疾患は特に)すると、「投薬」として、毎日摂取し続けていると、その悪い影響は、ひどい症状になってしまうかもしれません。

 以前、人間の管理栄養士の大学に通っていたことがあります。

 このときに、学んだ衝撃の映像が今も忘れられず、獣医師として動物の口にするものは、しっかり管理すべきだと思った授業があります。

 その内容は嚥下障害の患者様の映像でした。

 表情に乏しく、寝たきりで、食事もほぼとれない、重度嚥下障害のご高齢の患者様。

 違う病院で、投薬が過剰であることがわかり、薬の見直しによって、すべてが改善していく映像でした。

 最終的には、ご自身で歩いて、笑って、食事を取る映像で終わりました。

 すべての患者様がこのように上手くいくわけではないとは思います。

 でも、薬は大切ですが、使用を誤らないようにすべきだと再認識しました。

 複数の動物病院で薬を処方されている場合は、必ず、相談してください。

 ネットで購入のサプリメントもです。

 「自然(ナチュラル)」と謳った各種サプリメント(薬物)も、ヒトでの経験を基に、犬猫に応用されているものもあります。

 犬猫とヒトは、哺乳類という点で似ているところもありますが、薬物代謝を含め異なることもあり、ヒトでは問題なくても犬猫では問題が生じることもあります。

 わんちゃんねこちゃんのために、使用している今の薬、サプリメント、必ず、確認してください。

 「解毒(デトックス)」や「自然(ナチュラル)」のような言葉だけに惹かれないよう、わんちゃん、ねこちゃんがにとってそれが必要なのか、本当に解毒になっているのか、自然な状態なのか、確認しましょう。

 不安な点、解決できない点は、当院、またはかかりつけの獣医師に相談しましょう。


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