みなさん、こんにちは。
今日は、葉酸の欠乏症について。
葉酸はビタミンBの仲間です。
人では、妊娠予定の女性には特に摂取することが推奨されているビタミンです。
胎児の神経管閉塞障害という病気のリスク軽減に役立つためです。
神経管の閉塞が上手く起こらないと、二分脊椎症という背骨が左右に分かれる障害や脊髄髄膜瘤という脊髄が背中から体外に出てしまうような障害などが起こってしまいます。
この神経管の閉塞は妊娠の初期の起こるため、完全に防げるわけではありませんが、妊娠が判明する前から(妊娠予定があれば)葉酸の摂取が推奨されています。
葉酸の関係する病気には、ヒトでは他に、口唇裂や口蓋裂、巨赤芽球性貧血と関係があります。
犬では、口唇裂や口蓋裂の子犬が産まれる数が、母犬への葉酸投与によって減少した報告があります。
犬の口唇裂や口蓋裂は、パグやフレンチブルドッグのような短頭種の多く発生します。
上記、葉酸投与で口唇裂や口蓋裂の発生減少した報告は、ボストンテリアやバグ、チワワ、フレンチブルドッグでの研究でした。
私の中では二分脊椎というと短頭種を思い出し、水頭症というとチワワを思い出してしまいます。
口唇裂や口蓋裂だけでなく、母犬への葉酸投与によって、これら障害を持つわんちゃんの数が少しでも減るのであれば、特に、リスクのある犬種への投与は望ましいのかもしれません。
清水