肥満細胞腫とビタミンD


 みなさん、こんにちは。

 清水です。

 今日は、肥満細胞腫とビタミンDの関係について。

 「肥満細胞」とは、肥満とは全く関係ありませんし、脂肪細胞のことでもありません。

 アレルギーなど免疫に関係のある細胞です。

 「肥満細胞腫」とは、その細胞が腫瘍になったもの。

 ラブラドールレトリバーに多いと言われていますが、私はパグでの診断が多かったです。

 悪性度が高いと、どんどん大きくなったり、他の場所に転移して広がっていき、亡くなってしまいます。

 そのため、手術では大きく切除することが推奨されています。

 ビタミンDとは、脂溶性のビタミンです。

 不足すると骨の異常(くる病など)を起こすため、大切なビタミンです。

 過剰だと、骨だけでなく、心臓や血管、腎臓などにまでカルシウム沈着を起こしたり、血液中のカルシウムが多くなりすぎたりするので、摂りすぎてもいけないビタミンです。

 ビタミンDは、このカルシウムの代謝以外にも、細胞の成長や増殖に関する作用がわかっています。

 腫瘍は、体の細胞が異常を起こして、成長が止まらなくなり、どんどん広がっていき、体が破壊されます。

 ビタミンDは、この細胞の増殖や転移を抑える作用のあることが、研究でわかってきています。

 人間の疫学データでは、血中のビタミンD濃度の低さは、さまざまな腫瘍のリスク増加との関連が示唆されています。

 犬でも、肥満細胞腫のあるラブラドールレトリバーは、ないラブラドールレトリバーより血中のビタミンDが低かったという報告があります。

 だからと言って、ビタミンDを過剰に与えてしまうと、ビタミンD中毒によって、心臓や腎臓に異常を起こす可能性もあり、安易には行うことはできません。

 腫瘍の時に推奨されている食事は、ある特定の腫瘍や特定の犬種の効果報告を用いて作られたりします。

 また、エビデンス(化学的な根拠)は不明ですが、効果のあったとされる食事療法の話もあり、ビタミンDの作用機序をうまく利用した方法もあるようです。

 腫瘍の治療法には、外科手術や抗がん剤などがありますが、年齢や体力的にでできない場合もあり、日々の食事で、少しでも改善の手伝いができればいいですね。

 腫瘍の食事療法に興味があれば、また、不安があるときも、当院まで遠慮なくご相談ください。

 わんちゃん猫ちゃんの食事を、少しでも改善したいと考える飼い主様を、お待ちしております。

  清水

#ビタミンD

© 2017 by R nutritioin clinic for pets