みなさん、こんにちは。
清水です。
今日は、シリカ尿路結石症についてです。
ケイ素というミネラルを含む化合物による結石が、尿路(腎臓や尿管や膀胱や尿道といった尿の通り道)に存在することで、閉塞の原因となって尿がでなくなったり、感染や炎症の原因になってしまう病気です。
有名な尿路結石には、ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)やシュウ酸カルシウムによる結石がありますが、このシリカ結石は、非常に稀な結石です。
勤務獣医師として働いている間は、シリカ結石を持つ犬に出会ったことはありません。
昔(30年以上前)は、市販フードが原因でこの病気が発生したこともあったようですが、フード会社の対応により、この病気の発生は落ち着いたようです。
国内では、鹿児島の桜島などの周囲は、水道水など水のシリカの含量が他の地域より多く、シリカ尿路結石を持つ犬の多いことが報告されています。
シリカ結石の発生には、食事や水など口からの摂取量だけでなく、発生の多い犬種が認められることから、その犬の体質(シリカを腸から吸収しやすかったり、尿路で結石を生じやすかったりする体質)があるかもしれません。
国内では、水のシリカ含量が多くない地域でもシリカ結石の犬が存在し、同じフードを食べていたという報告もあります。
数多くあるフード会社からさまざまなフードが出回る中、シリカ結石の歴史を知って、改善・対応しているフード会社と、対応の遅れている会社との差でしょうか?
こんな歴史、繰り返さないでほしいですね。
結石は、中毒のように食べてすぐに症状が出るわけではありません。
シリカ結石が診断された時点で、食べているフードが原因とも限りません。
以前のフードが原因で形成された結石による症状が、今出ていることも考えられます。
「まれ」な結石ではありますが、この病気になってしまったわんちゃんや飼い主様にとっては、「まれ」にはなりません。「まれ」では済まされません。
食べ物による発生が減ることを願います。
清水