みなさん、こんにちは。清水です。
今日は、犬と人の栄養基準を比べてみました。
犬の基準は、AAFCO養分基準(2016)の維持期(成犬の時期)の最小値。
人の基準は、日本人の食事摂取基準2015の30~49歳女性の推定エネルギー必要量が2,000 kcal/日の場合の推奨量または目安量をエネルギーあたりで比較しました。
ミネラルの略字について
Ca(カルシウム)、P(リン)、K(カリウム)、Mg(マグネシウム)、Fe(鉄)、Cu(銅)、Mn(マンガン)、Zn(亜鉛)、I(ヨウ素)、Se(セレン)。
ビタミンの略字について
VA(ビタミンA)、VD(ビタミンD)、VE(ビタミンE、α-トコフェロール)、VB1(ビタミンB1、チアミン)、VB2(ビタミンB2、リボフラビン)、Pan(パントテン酸)、Nia(ナイアシン)、VB6(ビタミンB6、ピリドキシン)、Fol(葉酸)、VB12(ビタミンB12)。
ナトリウムも比べたいのですが、食事摂取基準のナトリウム量は推定平均必要量(または、目標量)なので、AAFCO養分基準の最小値と比較することはできないと考えています。
手作り食は、基本的に人の食品を用いて作られます。
犬と人では栄養素の所要量が異なります。
AAFCO養分基準(2016)と、日本人の食事摂取基準2015を比較すると、AAFCO養分基準の半分以下だったミネラルは、カルシウム、リン、鉄、銅、亜鉛、ヨウ素、セレンがありました。
ビタミンは、ビタミンE、リボフラビン(ビタミンB2)、ビタミンB12でした。
このように、今回の比較では、人の栄養基準を満たす食事でも、犬には多くの栄養素が不足し、特にミネラルの不足は顕著でした。
人の食事をそのまま犬に与えると、栄養素の不足を生じることがあるかもしれません。
犬猫の手作り食を行っている場合、栄養計算を行い、基準と比較してみることは、大切だと考えています。
私たちが、そうであるように、少々の栄養の過不足は、犬猫の体が適応してくれるでしょう。
しかし、少々が、長期になった場合や、病気や老齢の犬猫の場合、適応できなくなるかもしれません。
現在、健康だと思っていてもそれが未病状態(栄養の過不足による病気になっていない状態)の場合や、発症しているのに気づいていない場合も考えられます。
犬や猫のための手作り食が、犬や猫のためになるお手伝いができれば、幸いです。
清水
追記:2023年5月
犬と猫と人の食事に含まれる三大栄養素の割合を動画で紹介しています。
栄養に関する計算の話がメインですが、興味がありましたら、ご覧ください。
引用
[1] Association of American Feed Control Officials. 2016. AAFCO. Official Publication, AAFCO, Illinois.
[2] 厚生労働省.2015.日本人の食事摂取基準(2015年版).