みなさん、こんにちは。
今日は、犬猫が見ているものについて。
私たち人間が見ているものの色は、可視光線という紫から赤までの、目で見ることができる波長の光を感じ取れる錐体細胞のおかげです。
目(眼球)の奥には網膜という部分があり、そこに錐体細胞と桿体細胞があります。
錐体細胞が、色を知覚し、桿体細胞は暗いところで光を感じる役割があります。
私たちは、明るいところではカラフルな世界で生活し、薄暗いところでは灰色の世界で生活できているのは、このそれぞれの細胞が活躍しているからです。
人間の錐体細胞は3種類あり、赤、緑、青の3色型の色覚になります。
犬猫など多くの哺乳類は赤と青の2色型の色覚で、黄色っぽい色から青色の世界になるようです。
また、鳥類は4色型の色覚のことが多く、よりカラフルな世界を見ているようです。
ただし、鳥は桿体細胞が少なく、夜に見る能力が弱く、鳥目になります。
鳥だけに・・・。ふっ。
ビタミンA欠乏症には、「鳥目(とりめ)」と呼ばれる夜盲症の症状があります。
ビタミンAはレチノールとも言いますが、レチノールが変化したレチナールの構造変化によって、桿体細胞は光を感受することができます。
このため、ビタミンAが欠乏すると、桿体細胞が働けず、暗い中で見ることができなくなります。
犬猫は夜行性として活動するために、網膜よりも1層深いところにタペタムという光を反射させる膜があります。
このおかげで少ない光源でも、よりよく見ることができるようになりますが、
このせいで夜にフラッシュ撮影すると、タペタムにフラッシュが反射して目が光って写ってしまいます。
ピカ~ンッ!
また、水晶体という目のレンズ部分が、ヒトよりも紫外線を多く通過させると報告されており、紫外線感受性で、紫外線を見ることができるのではと考えられています。
雪上のウサギは、人間には白いウサギですが、紫外線感受性の動物では、紫外線の反射の差によって、雪とウサギには色の差が生じるようです。
自然界って、私たちが見ている以上にいろいろな色の違いがあるのですね!
みなさんのわんちゃん、ねこちゃん、私たちが見えないものを見ているようなときってありませんか?
勤務医時代、動物病院にひとり泊まって、夜、夜中、入院のわんちゃんねこちゃんをお世話している時のことです。
眠い目をこすりこすり作業していると、
病院で飼っている犬が、突然、部屋の壁を見上げて吠え出したのです。
えっ!えーーーーーーっ!
なーにーが―見-えーるーのーーーーー!!
なーにーがーいーるーのーーーーー!!
ひとり、恐怖でパニック!
とりあえず、その犬を抱きしめてみる。
やめて。吠えないで。何もいないから。だって、見えないもん。
この後、目はしっかり覚めました。
不思議な光が見えるような方(人間)の中には、錐体細胞の種類が普通より豊富だったり、紫外線や赤外線が見えるような目の構造のこともあるのかしら。
不思議なことが科学で解明されると、スッキリしますが、不思議なままの方が探求心はかき立てられますね。
清水