2018年9月17日

シリカ尿路結石症

 みなさん、こんにちは。

 清水です。

 今日は、シリカ尿路結石症についてです。

 ケイ素というミネラルを含む化合物による結石が、尿路(腎臓や尿管や膀胱や尿道といった尿の通り道)に存在することで、閉塞の原因となって尿がでなくなったり、感染や炎症の原因になってしまう病気です。

 有名な尿路結石には、ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)やシュウ酸カルシウムによる結石がありますが、このシリカ結石は、非常に稀な結石です。

 勤務獣医師として働いている間は、シリカ結石を持つ犬に出会ったことはありません。

 昔(30年以上前)は、市販フードが原因でこの病気が発生したこともあったようですが、フード会社の対応により、この病気の発生は落ち着いたようです。

 国内では、鹿児島の桜島などの周囲は、水道水など水のシリカの含量が他の地域より多く、シリカ尿路結石を持つ犬の多いことが報告されています。

 シリカ結石の発生には、食事や水など口からの摂取量だけでなく、発生の多い犬種が認められることから、その犬の体質(シリカを腸から吸収しやすかったり、尿路で結石を生じやすかったりする体質)があるかもしれません。

 国内では、水のシリカ含量が多くない地域でもシリカ結石の犬が存在し、同じフードを食べていたという報告もあります。

 数多くあるフード会社からさまざまなフードが出回る中、シリカ結石の歴史を知って、改善・対応しているフード会社と、対応の遅れている会社との差でしょうか?

 こんな歴史、繰り返さないでほしいですね。

 結石は、中毒のように食べてすぐに症状が出るわけではありません。

 シリカ結石が診断された時点で、食べているフードが原因とも限りません。

 以前のフードが原因で形成された結石による症状が、今出ていることも考えられます。

 「まれ」な結石ではありますが、この病気になってしまったわんちゃんや飼い主様にとっては、「まれ」にはなりません。「まれ」では済まされません。

 食べ物による発生が減ることを願います。

  清水

#尿路結石